共同通信社は14日、滋賀県日野町で1984年、酒店経営の女性=当時(69)=が殺害され手提げ金庫が奪われた「日野町事件」の再審公判に関し、検察側が有罪主張する方向で調整しているとした6月18日の記事を取り消した。検察側が有罪主張を断念した経緯を説明した翌19日の記事なども取り消した。いずれも誤報だった。
担当デスクだった大阪支社社会部次長を停職7日とするなど、11人を懲戒処分にしたことも発表。沢井俊光社長と山根士郎常務理事・編集局長は役員報酬を一部返上する。前編集局長の有田司常務理事には、社長が厳重注意した。
同社は、取材・配信の経緯を検証し「担当デスクが有罪主張と思い込み、社内のチェック機能も働かなかった」などと結論付けた。チェック体制の強化や、新たな研修制度の導入で再発防止を図る。
共同通信は6月18日夜、日野町事件の再審公判で、検察側が有罪主張する方向で調整しているとする記事を配信した。しかし翌19日に開かれた法曹三者による協議では、検察側が「有罪を主張しない」と表明。これを受け、検察側の判断について「有罪立証する方向で調整を進めてきたが、最終的に断念した」とする記事を配信した。
しかし詳しい検証の結果、いずれの記事も十分な取材結果が得られないままの配信で、取材や編集局の判断、管理職の管理監督に問題があったことが判明した。
山根士郎編集局長の話 6月18日と19日の記事はいずれも誤報で、取材に基づく正確なニュースを発信すべき報道機関としてあってはならないミスでした。関係者や読者の皆さまにご迷惑をおかけしたことを深くおわびします。今回の事案を重く受け止め、徹底した再発防止策に全社を挙げて取り組んでまいります。