【マニラ共同】太平洋戦争後にフィリピンで捕虜となった日本人技術者が当時を記録したスケッチや文章のパネル約100点が、7月初旬から首都マニラの博物館「アヤラ・ミュージアム」で展示されている。孫の小松志行さん(50)が11日、同館で約50人を前に講演。日本が戦争被害を与えたフィリピンで展示会を開けることへの喜びを表し、記録は「歴史の真実を伝え続けてくれるだろう」と述べた。
祖父の真一さん=1973年死去=は30代だった44年3月、植物を発酵させ代替燃料を製造する技術指導のため、軍属としてフィリピンに赴任。中部ネグロス島で終戦を迎え、46年12月に日本へ帰国するまで捕虜生活を送った。
真一さんがフィリピンで書きためた記録を遺族が保管。75年に筑摩書房から「虜人日記」として出版され、過酷な戦場での非戦闘員の経験を率直につづった貴重な資料として高く評価された。
小松さんはイラストを示しながら、極限状態の中でも「終始、冷静さを保ちながら」記録を続けたと祖父をたたえた。
展示は8月16日まで。