埼玉県立の特別支援学校の男性教員が、過労によるうつ病で休職し、復職後も職場環境が改善されず症状が悪化したとして、県に慰謝料など約1200万円の賠償を求めて26日、さいたま地裁に提訴した。原告の渡辺慶さん(40)は「組織の安全配慮義務の在り方を法廷で厳しく問い直したい」としている。
県の担当課は「必要な手続きを進めるとともに、適切に対応してまいりたい」とした。
訴状によると、渡辺さんは2022年に現在の学校に着任し、25年4月からは業務に問題がある後輩の指導や、研修などで不在がちな同僚のカバーを一手に任され、月80時間を超える残業や休日出勤を余儀なくされた。
同7月にうつ病と診断されて休職。10月に復帰したが、管理職から別室での1人勤務を命じられるなどし、12月には症状が悪化して再び休職した。その後、精神障害者保健福祉手帳(2級)を交付された。県が学校への適切な人員配置をせず、過重労働を放置したと主張している。
渡辺さんは取材に「特別支援教育の現場を救う確かな一歩になればいい」と話した。