政府や金融機関が新たな電子決済手段として関心を寄せるデジタル通貨「ステーブルコイン」が、マネーロンダリング(資金洗浄)に悪用されている。法定通貨と連動して価格を安定させる特徴があり、送金も迅速なため、特殊詐欺などで得た資金の交換先に。逮捕者も出ており、国内での取引本格化に向けて、専門家は「対策が必須」と指摘する。
今年3月、投資詐欺グループに代わり収益を資金洗浄したとして、大阪府警が組織犯罪処罰法違反の疑いで男3人を逮捕した。3人は6都県の10人から集められた計約1400万円を、ステーブルコインなどに換えて出所を隠していたという。
ステーブルコインは、暗号資産(仮想通貨)の一種とされ、ビットコインなどと同じブロックチェーン技術で管理。データが改ざんされにくい。
府警によると、3人は取引所を介さず個人間で仮想通貨を扱う「相対屋」。十数億円規模の資金洗浄に関与していたとみられる。
京都大の岩下直行名誉教授(金融論)は「一度犯罪に使われると、捜査が非常に困難になる」と指摘する。