難色の米国、粘りの交渉

広島市で講演する被爆2世で元外交官の久枝譲治さん=14日午前

 原爆ドーム(広島市)の世界文化遺産登録から今年で30年を迎えるのを受け、登録の際に外国との交渉を担当した被爆2世で元外交官の久枝譲治さん(75)が14日、広島市で講演した。米国などが難色を示す中での粘り強い交渉の舞台裏を紹介。日本国内の機運が高まる中で「失敗が許されなかった」と重責の日々を振り返った。

 久枝さんは東京出身だが母が入市被爆者で、政府が原爆ドームの登録を国連教育科学文化機関(ユネスコ)に推薦した1995年から外務省で担当課長を務めた。登録の是非を決める世界遺産委員会を目前に控える中、極秘で米ワシントンに渡り、反対の意思を示す原爆投下当事国の米国側を説得した秘話などを披露した。

 ぎりぎりの交渉の末、米国は決定を妨げなかった。中国が直前で態度を「留保する」と伝えてきたが、各国への根回しのかいもあり、96年12月に登録が決定。「安堵と同時に、米国が阻止を思いとどまってくれたことには非常に感謝の気持ちだった」と回想した。

最新記事
レバノン首都南部を攻撃とイスラエル首相
日英首脳、経済安保で連携
林氏、将来の自民総裁意欲
INPEX施設のスト継続
福島県知事、4選出馬に意欲