国立がん研究センター東病院(千葉県柏市)の医療機器選定を巡り、便宜を図ってもらう見返りに医師=収賄罪に問われ無罪確定=に賄賂を渡したとして、贈賄罪に問われた医療機器メーカー「ゼオンメディカル」(東京)の元社長柳田昇被告(69)の判決で、東京地裁は16日、無罪を言い渡した。検察側は懲役1年を求刑していた。
中川正隆裁判長は、同社が機器に関する調査名目で医師と結んだ契約に基づき提供した金銭は「賄賂の趣旨で送金したと認められる」と指摘。一方、医師は実際に調査に協力しており、賄賂との認識があったとは認められず、収賄罪は成立しないとした上で「必要的共犯である贈賄罪も成立しない」と結論付けた。
被告は社員と共謀し、胆管の閉塞を開通させるステントを多く使用したことの謝礼として、元肝胆膵内科医長(49)に対し、2021年に約168万円を送金したとして起訴されていた。
地裁は今年2月、医師の判決で「賄賂との認識はなかった」として収賄罪の成立を認めなかった。