【ソウル共同】1905年から初代韓国統監を務めた伊藤博文の書とみられる掛け軸が11日までに韓国で見つかった。入手した韓国の元国会議員が明らかにした。伊藤は韓国で「侵略の元凶」として否定的なイメージが強い。元の所有者は、植民地時代の対日協力者らを指し売国奴に近い意味の「親日派」と非難されることを恐れて長年秘蔵してきたという。
伊藤の書は韓国で過去にも複数見つかっているが、古美術関係者によると新たな発見は珍しい。一方、負の印象から、作品としての価値が認められにくいため積極的に探す人は少なく、実態は分かっていない。
元議員によると、掛け軸は、10年の日韓併合前の大韓帝国時代に、国家機関の「宮内府」で勤務した韓国人の男性(故人)が保有していた。入手の経緯は不明で、男性の死後も親族が保管していたが、今年1月に「韓日間で何らかの役に立てば」との思いで元議員に譲渡した。
掛け軸には「餘花落處満地和烟雨」と記され、「散った花びらが地面いっぱいに落ち、春の雨に調和して美しい」情景を表現しているという。