鹿児島県の奄美大島や沖縄県などに生息するつる植物「カラスキバサンキライ」は、花の香りでタマバエの一種の雌だけを花粉の運び手として呼び寄せていることが分かったと、神戸大の末次健司教授らのチームが6日付科学誌カレントバイオロジーに発表した。この香りは単一の化合物が主体で、植物と昆虫の共生を支える暗号のような役割を担っているという。
カラスキバサンキライは雄花と雌花があり、つぼみの状態からほとんど開かない。
チームは、花が出す香りの成分を分析。「ジヒドロエデュラン1」という多くの昆虫が嫌がるとみられる化合物が主成分だと判明した。この化合物を合成して調べると、タマバエの雌だけを引き寄せる効果があった。
雄花も雌花も同じ化合物を出すが、野外の観察ではタマバエが産卵するのは主に雄花で、産卵の際に大量の花粉を体に付けて運んでいた。
その後雄花は落下し、内部を幼虫が食べて成長していた。雌花に卵を産み付けられ内部を幼虫に食べられると果実を付けられなくなる恐れがあるため、植物側が雄花への産卵を誘導しているとみられる。