長崎大病院などは6日、新たな肝臓再生医療の臨床研究を始めたと発表した。肝硬変の患者から肝細胞を取り出し、薬剤を加えて分化や増殖が可能な「CLiP(クリップ)細胞」へと変化させ、患者の肝臓に戻して回復を促す。クリップ細胞を人に移植する臨床研究は世界初。2028年3月までに3人に実施し、安全性を確認する。
治療が有効かどうかも検証し、5~10年後の実用化を目指す。長崎大病院肝胆膵・移植外科の江口晋診療科長は「(ドナー不足や高齢のため)肝臓移植を受けられない患者に、新たな治療として提案できる自信を持っている」と述べた。
クリップ細胞は、東京医大の落谷孝広特任教授らが17年に開発した。患者自身の細胞を使うため、移植後の拒絶反応が起きにくく、人工多能性幹細胞(iPS細胞)より大量培養しやすいとされる。ブタを使った実験では、肝臓の状態が改善したという。
肝硬変は、進行すると肝臓の機能が著しく低下し、根本的な治療は肝臓移植となる。日本では年間約2千人が肝臓移植を受けられず亡くなっている。