集団的自衛権行使を可能とした安全保障関連法は29日で施行から10年となる。米イスラエルのイラン攻撃に伴う中東緊迫化を受け、政府は法に基づき自衛隊派遣の可否を慎重に検討。法制化の過程で政府が示した海外派遣の3原則が歯止めとなった。
安保法は、集団的自衛権を行使できる「存立危機事態」や地理的制限なく米軍の後方支援を可能とする「重要影響事態」などを創設。自衛隊の活動範囲は世界規模に広がった。
2015年の法案審議では当時の安倍晋三首相が、海外派遣に当たり(1)国際法上の正当性の確保(2)民主的統制の確保(3)自衛隊員の安全確保のための措置―の3原則を反映させたと答弁。国際法に違反して先制攻撃した国は「支援しない」と言明した。
イラン攻撃を日本政府は「詳細な事実関係を把握していない」として法的評価を避けている。
官邸筋は「エネルギー供給が滞れば重要影響事態と判断することはできる。検討の俎上には載った」と明かす。トランプ米大統領は日本の制約に理解を示したとされるが、戦闘長期化で態度を一転させる展開も予想される。