埼玉県立小児医療センターで抗がん剤注射後に重度の障害を発症した3人の髄液からは、抗がん剤の髄腔内注射で使用されない薬液「ビンクリスチン」が検出された。この薬液は病院内で厳重に管理され、薬剤師らへの聞き取りでも工程や手順に問題は確認されなかったという。なぜ髄液に混入したのか―。関係者の間に戸惑いが広がった。
「どうしてなのか、という部分にまでは至っていない」。岡明病院長は11日の記者会見で、混入の原因について問われると神妙な面持ちでこう語り、引き続き究明を進める考えを示した。
同センターによると、ビンクリスチンはたとえ微量でも髄腔内に入ると、神経系組織にダメージを引き起こす副作用があり、髄腔内注射での使用は説明書などで禁じられている。そのため院内では、病院関係者だけ持っているセキュリティーカードでしか入れない調剤室で管理。さらに薬剤師など一部の職員しか開けられない鍵付きの保管庫に入っていたという。
髄腔内は非常に繊細で、さまざまな症状を引き起こす恐れがある。