埼玉県立小児医療センター(さいたま市)は11日、白血病治療のため、昨年1~10月に抗がん剤を注射した男性患者3人が重度の障害を発症し、うち10代の患者1人が今年2月に死亡したと発表した。他の2人は10歳未満と10代の患者で、現在は重度後遺症のため治療を受けているが、いずれも意識不明の重体という。
同センターによると、患者3人の髄液からは、抗がん剤髄腔内注射で本来使用されるはずのない別の薬液「ビンクリスチン」が検出されており、障害発症の原因である可能性が高いという。この薬液は神経障害を起こしやすいため、静脈注射には用いるが、髄腔内注射には使わないとしている。
事件と事故の両面の可能性があるとして、同センターは10日、県警大宮署に届け出た。岡明病院長は11日、県庁で記者会見し「信頼して治療を受けていた患者や家族に申し訳ない。非常に深く受け止めている」と謝罪した。ビンクリスチンは、病院内の調剤室にあった鍵付きの保管庫で厳重に管理していたという。