金融庁が全国の地方銀行に対し、不動産業への融資増加を懸念して警告したことが20日、分かった。貸し出しの管理が甘く、本来必要な融資の限度額を設定していない地銀もあったため改善を要求。金利上昇や不動産価格の下落で返済が滞り、バブル崩壊後のように不良債権が膨らんで経済に悪影響が及ぶリスクを未然に防ぐのが狙い。
地方では優良な貸出先が少なく、越境して東京など大都市の不動産案件に融資する動きが地銀の間で出ていた。資金供給により、都市部のマンションの価格が高止まりする要因になった可能性もある。
金融庁は個人向けローンや不動産事業者向け貸し出しで、一部の地銀に聞き取りを実施。1件当たりの融資限度額を適切に設けていない事例のほか、地価下落といった不測の事態が起きた場合の経営への影響を調べる「ストレステスト」を十分に活用していない地銀もあった。
金融庁は地銀との定期的な意見交換の中で、こうした聞き取りの際の懸念を文書で伝達。「リスク管理態勢の高度化」に努めるよう促した。