九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)の周辺住民らが、地震や噴火で事故が起きる危険性があるとして3、4号機の運転差し止めと国の設置許可取り消しを求めた二つの訴訟の控訴審で、福岡高裁は20日、一審判決に続きいずれも請求を退けた。新規制基準に適合するとした原子力規制委員会の審査や判断に過誤や欠落はなく、具体的危険性は認められないと判断した。
裁判で住民側は、耐震設計の目安となる地震の揺れ(基準地震動)は過小評価され、安全性が確認されていないと主張。久留島群一裁判長は判決理由で、地震動評価に影響を与える震源断層を安全側に保守的に設定して策定されたとして「過小に評価されたと認められない」と指摘した。
規制委の審査基準「火山影響評価ガイド」を巡っては、原子力規制庁が示した考え方を基に「巨大噴火のリスクが社会通念上容認される水準だと判断することが不合理とは言えない」と認定した。住民側は破局的噴火のリスクは社会通念上容認できないと訴えていた。