米軍基地反対闘争など社会問題を題材にした「ルポルタージュ絵画」で知られる画家の中村宏(なかむら・ひろし)さんが8日午前9時33分、膵臓がんのため東京都の病院で死去した。93歳。浜松市出身。葬儀は近親者のみで行う。
1951年に日本大芸術学部に入学し、学生運動に参加。砂川闘争の現場を取材した「砂川五番」などでルポルタージュ絵画の旗手として注目された。
60年代以降はセーラー服姿の女子生徒や蒸気機関車、飛行機などのモチーフを繰り返し用い、シュールレアリスム的な表現に取り組んだ。2020年代に入り、自身の戦争体験を描いた「戦争記憶画」を手がけた。
静岡市の静岡県立美術館で大規模な回顧展の開幕を20日に控えている。