以前通っていた小学校で男児から胸をもまれるなどの性被害を受けたのに学校側が申告を虚言のように扱い、いじめ重大事態の調査をしなかったことで精神的な苦痛を受けたとして、小学生の女児(8)が東京都新宿区に330万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こしたことが28日、分かった。
児童間の性暴力は顕在化しにくいとされ、女児側の代理人弁護士によると同種の訴訟は珍しい。女児の母親は取材に「同様の加害行為の再発をなくすため、一石を投じられれば」と話した。区教育委員会は「現時点で訴状が届いていないのでお答えすることができない」とコメントした。
訴状などによると、女児は24年2月、放課後の校内で男児から胸を触られるといったわいせつ行為を複数回受けた。
学校側に被害を明かして対応を求めたが、学校側は男児がヒアリングで行為を否認したとして、性被害の有無は不明と回答。
女児側は同年6月、区教委側にいじめ重大事態としての調査を要請したが、区教委は「事実を認めるに至らなかった」として調査しなかった。