西アフリカ「非常事態」

ギニアビサウの首都ビサウでパトロールする軍兵士ら=11月21日(ロイター=共同)

 【ナイロビ共同】西アフリカ情勢の悪化が続いている。各国でテロが多発する中、米軍が25日にナイジェリア北西部で過激派組織「イスラム国」(IS)系勢力を攻撃した。軍事政変も近年相次ぎ、11月にはギニアビサウでクーデターが勃発。12月にもベナンで政変未遂が起きた。地域機構の西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)は「非常事態」と表明した。

 ナイジェリアは北部にイスラム教徒、南部にキリスト教徒が多く、複数のIS系勢力やイスラム過激派が活動。トランプ米大統領はキリスト教徒が多数殺害されていると主張し、追加攻撃を警告した。

 国際テロ組織アルカイダ系の「イスラムとムスリムの支援団」(JNIM)も近年、拠点があるマリなどから勢力を広げナイジェリアやベナンでテロを行う。

 過激派伸長の一因として指摘されるのは、2020~23年にマリ、ブルキナファソ、ニジェールの3カ国で相次いだ軍事政変だ。3カ国はロシアに接近し、過激派掃討に当たった旧宗主国フランス軍を撤収に追い込んだが、治安悪化を招いた。

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