楽天モバイルは25日、携帯電話の契約が1千万回線を突破したと発表した。低廉な料金を掲げて2020年4月に本格参入してから5年8カ月で大台に到達し、「第4のキャリア」の地位を確立した。今後は競合するNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの大手3社と比べて弱い通信網を充実させながら、顧客基盤を拡大し続けられるかどうかが課題となる。
菅義偉政権の「官製値下げ」で他社が格安プランを投入する中でも、個人の2台持ちや中小企業の需要を着実に取り込んだ。楽天ポイントと電子商取引(EC)を核とする「楽天経済圏」との親和性も支持された。
東京都内で記者会見した三木谷浩史会長は「通過点だと思っている。サービス向上やネットワークをさらに良くするなどやることは山のようにある」と語った。
楽天グループの25年1~9月期連結決算で、携帯事業は本業のもうけを示す営業損益が1268億円の赤字を計上した。設備投資や顧客獲得のためのPR費用がかさんだ。三木谷氏は「成長スピードが速いほど黒字化は遠のく」と語った。