原発7基の差し止め請求棄却

関西電力の原発計7基の運転差し止めを求めた訴訟の判決で、垂れ幕を掲げる原告側=25日午後2時3分、大津地裁前

 福井県で稼働している関西電力の原発の高浜1~4号機、美浜3号機、大飯3、4号機の計7基で事故が起きた場合、生活や生態系に深刻な影響を及ぼす危険があるとして、滋賀県の住民ら約50人が関電に運転差し止めを求めた訴訟の判決で大津地裁(池田聡介裁判長)は25日、請求をいずれも棄却した。

 7基はそれぞれ営業運転開始から30~50年以上が経過し、今年6月に始まった新制度で60年を超える運転も事実上可能となっている。訴訟では地震や津波に対する安全性や、避難計画の妥当性などが争われた。

 原告側は、耐震設計の目安となる基準地震動は、国内で観測された過去最大の地震動を前提とするべきで、過小評価されていると指摘。津波の解析モデルも不合理で、避難計画は複合災害を想定しておらず実効性がないなどと訴えた。

 関電側は、基準地震動は地域の地盤の特性などを十分踏まえて策定していると主張。津波のシミュレーションは詳細な数値で実施し、避難計画は国の原子力防災会議で合理的であることが確認されていると反論していた。

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