都市部「孤育て」防ぐ施設

都市部の子育て家庭を支援する施設のイメージ図(NPO法人「SOS子どもの村JAPAN」提供)

 都市部の子育て家庭の孤立を防ぐため、福岡市のNPO法人「SOS子どもの村JAPAN」は、拠点となる施設の建設を目指している。親子の相談機関やヤングケアラーが過ごすサロンなどを集約し、切れ目のない支援を狙う。団体によると、こうした施設は全国的に珍しく「都市部の家庭支援のモデルケースにしたい」としている。

 団体は2006年に設立。10年からは、さまざまな事情で親と離れて暮らす子どもと里親が住む「村」を営み、孤立しない養育に取り組んできた。市の委託を受け、児童家庭支援センターやヤングケアラー相談窓口を運営する。

 こども家庭庁によると、23年度の全国の児童相談所による虐待相談対応件数は約22万5千件で過去最多を更新した。

 団体で広報を担当する雪松直子さんは「孤育て」を防ぐには地域の力も必要だと感じている。助けを必要とする親子は自ら相談機関にたどり着くことが難しく、多くの目で見守り、支援窓口が連携して支えることが「虐待を未然に防ぐことにつながる」とする。

 新しい施設は福岡市地下鉄姪浜駅近くに建設し、来年夏頃に完成予定だ。

最新記事
「手術室で臓器撮り投稿」
為替相場 24日(日本時間21時)
米、元EU閣僚の入国禁止
米政権、元EU閣僚の入国禁止
「国の基金」残高20兆円に膨張