医療費の自己負担の上限額を一定に抑える「高額療養費制度」を見直す政府案が判明した。2026年8月から、がんなど長期間治療する患者の負担増に配慮して新たに年間上限額を設け、平均的な「年収約370万~770万円」の所得区分では53万円とする。一方で現行の月額上限約8万円は5700円引き上げる。27年8月には所得区分の細分化により約3万円増の約11万円となる人もいる。関係者が23日、明らかにした。
政府案は、26年8月に全ての所得区分で月額上限を引き上げる。所得区分の細分化後は、月額上限を段階的に設定する。「年収約650万~770万円」の新区分では約11万円とする。
片山さつき財務相と上野賢一郎厚生労働相が24日に折衝し、決定する。今回の政府案は、昨年末にまとめた案よりも引き上げ幅をおおむね抑えた。ただ所得区分の細分化後に月額上限をさらに引き上げるケースがあり、がん患者団体などの理解を得られるかどうかが焦点だ。
年間上限額は、平均的な所得区分と、約370万円以下(住民税非課税を除く)は53万円。