海洋研究開発機構は23日、南鳥島(東京都小笠原村)周辺の海底に存在するレアアース(希土類)を高濃度に含んだ泥の利用に向け、来年1~2月に現地で機器の動作試験を実施すると発表した。地球深部探査船「ちきゅう」から水深約6千メートルの海底へ管を伸ばし、泥を吸い上げる世界初の試み。成功すれば、本格的な採掘試験を2027年2月に実施する。
内閣府主導のプロジェクトで、採算性や産業化の可能性は27年の試掘後に検討する。電気自動車(EV)やスマートフォンなどの製品に不可欠な資源をどこまで国内で賄うことができるか、注目される。
高市早苗首相とトランプ米大統領は今年10月、レアアースなど重要鉱物の供給、確保に関する文書に署名しており、開発での連携も視野に入る。
内閣府によると、南鳥島沖の排他的経済水域(EEZ)の底には産業利用可能な規模でレアアースを含む泥が堆積している。
26年の動作試験では、筒の中にプロペラの入った採掘装置を管の先に付けて船から下ろし、底にある粘土状の泥と海水をかき混ぜて液状にした上で船上に送る。