「奇跡の魚」産卵、撮影に初成功

産卵前に湖底に穴を掘るクニマスのメス=2日、山梨県富士河口湖町の西湖(同県提供)

 山梨県は22日までに、富士河口湖町の西湖だけに生息し、環境省レッドリストで「野生絶滅」に分類される魚「クニマス」が自然界で産卵する様子を初めて動画撮影した。担当者は「産卵期の行動を解明することで保全に役立てたい」と期待する。

 県によると、撮影に成功したのは今月2日で、水深約30m地点。メスが砂利を掘って産卵した後、つがいのオスが精子をかける姿や、サケの産卵行動にもみられる別のオスが割り込む様子を撮影した。

 クニマスは1945年に水質悪化で絶滅したと報告された。しかし卵が移植された記録のある西湖で2010年に生存が確認され、さかなクンによる発見のきっかけや、在位中の上皇さまが「奇跡の魚」と指摘、話題となった。

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