【ニューデリー共同】朝子という日本名を持つ「インド独立の志士」で、8月に97歳で亡くなったバーラティ・アシャ・チョードリーさんへの在外公館長表彰式典が17日、首都ニューデリーの日本大使公邸で開かれた。独立後、日本語通訳を務め、両国の友好親善に貢献したと評価された。
家族や親族、友人ら約20人が出席。小野啓一駐インド大使から表彰状を受け取った次男のサンジェイさん(69)は、アシャさんが日本語で残した「(日印両国は)共に歩むべきだ」との言葉を紹介し「より成熟した関係を次世代に継承していきたい」と語った。
小野大使は「(アシャさんが)日記や著作を通じて後世に伝えたのは戦争体験、独立運動の記憶、多くの個人の志だった」と功績をたたえた。
アシャさんは1928年、インド人の両親のもと神戸市で生まれた。当時のインドは英国の植民地で、両親とも日本を拠点に独立運動に参加していた。アシャさんは来日した独立指導者スバス・チャンドラ・ボースとの対面をきっかけに、45年にボース率いる「インド国民軍」に入隊した。