【独自】核訓練発覚恐れ模擬弾を隠蔽

米軍第3海兵水陸両用軍による1971年6月の電報のコピー。岩国基地での核搭載訓練について記している

 在日米軍が1971年、核兵器使用を想定した岩国基地(山口県岩国市)での訓練が日本側に発覚することを恐れ、訓練用の模擬核爆弾を占領下の沖縄へひそかに移していたことが16日、米公文書で分かった。事実上の隠蔽。核への忌避感が強い日本の世論を強く警戒しながら、核保有国のソ連や中国をにらんだ核攻撃態勢の構築を進めていたことが浮き彫りになった。

 在日米軍を巡っては、岩国の航空部隊が71~74年、沖縄本島周辺で模擬水素爆弾の投下を繰り返していたことが明らかになっている。岩国で航空機に核を搭載する訓練をしていたことが公文書で新たに裏付けられた。

 公文書は71年6月に沖縄の第3海兵水陸両用軍が太平洋艦隊海兵軍の司令官に宛てた電報。機密解除され、米国立公文書館が保管している。

 電報によると、71年5月の軍隊記念日前、岩国に司令部があった第1海兵航空団が「核関連情報の取得を狙う情報専門家による複数の活動」を察知。航空団司令官は、模擬核爆弾を岩国から那覇の米軍施設へ「内密かつ迅速に移動」するよう命じた。

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