農林水産省が16日発表した鶏卵の価格動向調査によると、8~10日の全国平均小売価格は1パック10個入り(サイズ混合)は308円で、2003年の調査開始以降の最高値となった。平年に比べ27%高い。24年冬~25年初めに鳥インフルエンザが流行し供給量が回復途上にある中で、今冬の需要が増えたのが要因だ。
これまでの最高値は23年7月調査の306円。この時も22年冬~23年初めに鳥インフルエンザの感染拡大があった。
日本養鶏協会は「鶏卵の生産量が戻り、価格も落ち着く見通しだ」と説明している。鳥インフルエンザの発生で殺処分した養鶏業者は、26年上半期にかけてひな鳥を再飼育する割合が9割程度まで回復する見込みとなっているためだ。
ただ、資材価格やえさ代の高騰、鳥インフルエンザの一段の拡大で価格が下がりきらない可能性もある。
価格動向調査は、全国の量販店が扱う食品の小売価格を品目ごとにまとめ、農水省が毎月公表する。現在の対象は「野菜」「加工食品」「食肉・鶏卵」「魚介類」「果樹」。