【ベルリン、キーウ共同】ロシアに侵攻されるウクライナのゼレンスキー大統領は15日、米政府高官と協議後、米欧がウクライナに提供する強力な「安全の保証」に関する合意に非常に近づいていると記者団に述べた。ドイツ・ベルリンでのメルツ首相との共同記者会見では、東部の激戦地から撤退を求める米国とは領土問題で立場の違いがあると説明した。
英仏独や欧州連合(EU)の首脳らは15日、有志国による「ウクライナ多国籍軍」創設に向けて協力するとの共同声明を発表した。ただ米欧ウクライナはいずれも、安全の保証を実現する具体策を明らかにしていない。
ゼレンスキー氏は共同会見で、安全の保証が確約されなければ、前線に関する判断はできないと主張し、現時点で東部ドンバス地域(ルハンスク、ドネツク両州)からの軍撤退の用意はないとの考えを示した。
ゼレンスキー氏は会見に先立ち、14日に続いてウィットコフ米和平交渉担当特使らと協議。ロイター通信によると、米側はドネツク州の前線からの軍撤退を求めた。