静岡県伊東市の田久保真紀前市長(55)が学歴を巡る問題で失職したことに伴う市長選は14日投開票され、田久保氏が敗北した。無所属新人の元市議杉本憲也氏(43)=国民推薦=が、無所属元職小野達也氏(62)=自民推薦=との接戦を制した。過去最多9人が立候補し、学歴問題対応の是非や市政の立て直し策を主な争点に論戦を交わした。可能性が指摘された再選挙は回避された。
投票率は60・54%で、5月の前回選を10・89ポイント上回った。
杉本氏は国民民主党に加え、連合静岡の推薦も得た。先月末の決起集会には、国民の榛葉賀津也幹事長が応援に駆け付けた。候補者最年少の若さをアピールし、現役世代の負担軽減を主張。当選後、市内で支持者を前に「止まってしまった市政を進める」と意気込みを語った。
5月の市長選で初当選した田久保氏は、市広報誌で「東洋大卒」とプロフィルを紹介したが、実際は除籍だった。市議会は説明責任を果たさず市政に混乱を招いたとして2度の不信任決議を可決。田久保氏は失職した。