賃上げ「さらなる定着へ」、春闘

経団連会館=東京・大手町

 2026年春闘の経営側の指針となる経団連の「経営労働政策特別委員会(経労委)報告」の最終案が11日判明した。中小企業を含めて「賃金引き上げの力強いモメンタム(勢い)のさらなる定着」を訴える方針。過去3年続いた高い水準の賃金上昇を維持したい一方、中小企業などが負担を感じる「賃上げ疲れ」に留意する姿勢を示した。

 経団連の労働政策本部の委員会が15日に最終案を議論する。26年1月に正式決定し公表する。

 経団連が8月発表した25年春闘の最終集計によると、定期昇給やベースアップを含む大手企業の月給賃上げ率は平均5・39%。経団連は3・99%の23年を「起点」、5・58%だった24年を「加速」、25年を「定着」の年と位置付けており、この流れを確実にしたい考え。

 最終案は、物価変動を考慮した実質賃金のマイナスが続く現状を踏まえ「安定的なプラス化に向けて官民連携の取り組みが望まれる」と説明。企業の賃上げだけでは限界があるとして、政府・日銀に「適度な物価上昇の実現に向けた政策の検討・実施を強く期待する」とした。

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