総務省中部管区行政評価局は10日、能登半島地震後の被災地でボランティア活動中に骨折や割れ物で負傷するといった事故が75件あったと発表した。災害ごみの搬出やがれき撤去の際のけがが多く、同局は原因や安全対策をまとめた事例集を作成。災害現場で生かしてもらいたい考えだ。
地震が発生した2024年1月から25年7月に起きた事故について、ボランティアセンターを設置した石川県輪島市や珠洲市など12市町の社会福祉協議会から情報を集めた。
事故を活動内容別に見ると、「災害ごみの搬出・運搬・分別」が25件(33・3%)と最多。次いで「家財の搬入・搬出」15件(20・0%)、「がれきの撤去」12件(16・0%)だった。
事故の形態で最も多かったのは「動作の反動・無理な動作」が14件で、「切れ・こすれ」12件、「転倒」11件と続いた。
路面の割れに気付かず、転倒して腰骨が折れた(70代女性)、土のう袋につまずき転倒して割れ物が脚に突き刺さった(50代女性)、冷蔵庫を運搬の際に脚の肉離れを起こした(40代男性)などがあった。