福井市で1986年に中学3年の女子生徒が殺害された事件で服役し、再審無罪が確定した前川彰司さん(60)が、刑事訴訟法に基づき裁判費用の補償を福井地裁に請求したことが10日、分かった。前川さんが取材に明らかにした。9日に提出したという。
前川さんは「事件は冤罪だった。国が負担するのが当然だ」と話した。請求には、これまでの裁判の弁護士報酬などが含まれるといい、今後、地裁が補償の額を算定する。
事件は86年3月に発生。前川さんは翌87年に殺人容疑で逮捕され、一審福井地裁は無罪判決を言い渡したが、二審の名古屋高裁金沢支部は懲役7年の逆転有罪判決を出し、その後確定した。今年7月、同支部が再審で無罪判決を言い渡し、8月に確定した。