厚生労働省が8日公表した10月の毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上)によると、物価変動を考慮した1人当たりの実質賃金は前年同月比0・7%減で、10カ月連続のマイナスだった。名目賃金に当たる現金給与総額は46カ月連続のプラスだったが、家計を圧迫する物価高騰に追い付いていない状況が続いている。
現金給与総額は2・6%増の30万141円。物価の変動を示す消費者物価指数が3・4%上昇したことから、実質賃金はマイナスとなった。
現金給与総額の内訳は、基本給を含む所定内給与が2・6%増の27万1663円で、48カ月連続のプラス。残業代などの所定外給与は1・5%増の2万496円。ボーナスなどの「特別に支払われた給与」は6・7%増の7982円だった。
厚労省の担当者は実質賃金の動向について「賃金だけでなく物価の影響があるので今後の見通しは示しにくい」とした。
就業形態別に現金給与総額を見ると、フルタイムの一般労働者は2・7%増の38万4151円。パートタイム労働者は2・2%増の11万2283円だった。