東京大の戸谷友則教授(天文学)は30日までに、宇宙を満たしているとされながら、正体が分かっていない暗黒物質が放出した可能性のあるガンマ線を捉えたと学術誌に発表した。天の川銀河周辺から届いたガンマ線のデータ15年分を分析した研究成果。事実と確認されれば、初めて暗黒物質を“見た”ことになるとしている。検証には銀河の他の領域からも同様のガンマ線を捉えるなど、証拠集めが必要だという。
暗黒物質は光などの電磁波を発しないため、望遠鏡などで直接観測できていない。見えたことで正体解明につながれば、天文学や素粒子物理学が大きく進展するとされる。
戸谷教授は、米航空宇宙局(NASA)の天文衛星フェルミが2008~23年に集めた観測データから宇宙線や、天体起源のガンマ線を取り除く解析を実施。その結果、検出されたガンマ線は銀河中心部からやや外れたハローという領域から飛来し、エネルギーや分布状況から暗黒物質が発生源の可能性があるという。