エイズ対策、世界の支援減に懸念

国連欧州本部で記者会見するUNAIDSのバイアンイマ事務局長=25日、ジュネーブ(keystone提供・AP=共同)

 【ジュネーブ共同】国連合同エイズ計画(UNAIDS)は25日、2024年にエイズウイルス(HIV)に新たに感染したのは推計130万人だったとの報告書を公表した。トランプ米政権の動きを念頭に、25年にはHIV対策支援の国際援助が大きく減少したことにも言及、新規感染者の増加を招く恐れがあると懸念を示した。

 報告書は、25年に入り「最大の資金拠出国がHIV対策関連の資金拠出を一時停止した」と指摘。米国の名指しは避けつつも、医療拠点やスタッフの削減を強いられるなどした各地の現場は「危機に陥った」と批判をにじませた。

 HIVの感染者は近年、減少傾向にある。ただ報告書は、24年末時点で900万人以上のHIV陽性者が治療を受けておらず「流行は終わっていない」と強調。支援減少の結果、30年の新規感染者数は140万人に増加する可能性があり、これまでの進展を帳消しにしかねないと危機感を示した。

 国連のグテレス事務総長は国連改革の一環として組織のスリム化を検討しており、UNAIDSを26年末で廃止する案を発表している。

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