有機フッ素化合物(PFAS)に関する全国初の公費血液検査を実施した岡山県吉備中央町が、健康影響評価のため新たに有識者会合を設置する方向で調整していることが25日、関係者への取材で分かった。国が知見不足としてPFAS血中濃度の基準設定は困難とする中、多角的な分析により結果の客観性を担保し、今後の研究や対策に役立てたい考えだ。
同町では一部浄水場で高濃度のPFASが検出されたことから、住民の要望を受けて血液検査の実施を決定。岡山大(岡山市)と川崎医大(岡山県倉敷市)が解析を担当している。新たな会合では、さらに別の専門家が解析結果を基に健康への影響を検討することを想定しているという。
関係者によると、町は4日、PFASによる健康不安解消の対策を住民と話し合う連絡協議会を非公開で開催。協議会の場で、新たな有識者会合を設置する意向を住民側に伝えた。町は2024年度の調査結果について「年度内の最終報告を目指す」としているが、遅れる可能性もある。