【北京共同】日本外務省の金井正彰アジア大洋州局長は18日、中国外務省の劉勁松アジア局長と北京で局長級協議を実施した。日本政府関係者が明らかにした。台湾有事に関し武力行使を伴えば存立危機事態になり得るとした高市早苗首相の国会答弁を巡って日中関係は緊張が高まり、日本側は沈静化を図りたい考え。ただ答弁撤回を求める中国側とは主張が対立し、事態打開につながるかどうかは不透明だ。
金井氏は協議の場で、首相答弁は中華人民共和国を中国の唯一の合法政府と承認した1972年の日中共同声明で示した日本の立場を変えるものではないと説明する見通し。ただ中国側が求める答弁撤回には応じないとみられる。
中国の薛剣駐大阪総領事が首相答弁を受けXに投稿した「汚い首は斬ってやる」との文章についても問題提起する見通しだ。
日本側は南アフリカで22~23日に開かれるG20首脳会議に合わせて高市氏と李強首相の会談を模索し、緊張緩和を図りたかったが、中国外務省の毛寧報道局長は17日の記者会見で「会談予定はない」と明言した。