大規模な投資詐欺や資金洗浄など国際的な犯罪に関与したとして米司法省が訴追したカンボジアの華人系企業「プリンス・ホールディング・グループ」のチェン・ジー会長が、東京都港区の高級物件を住居として確保していたことが17日分かった。チェン会長が2022年に設立した会社の法人登記簿で確認した。
制裁を科した米財務省は「アジア最大の犯罪組織」の首謀者と指摘。チェン会長が自ら起業することで日本国内に長期滞在可能な在留資格を得る狙いがあったとみられる。米当局はチェン会長が保有する暗号資産のビットコイン約120億ドル(約1兆8千億円)の没収を申し立てた。違法な手段でかき集めた資金は巨額で、一部が資金洗浄などで国内に還流している可能性がある。
カンボジア国籍を持つ中国系のチェン会長の会社はプリンス・グループ(東京都千代田区)を設立。当初はカンボジアの首都プノンペンのプリンス本社ビルに隣接する区画の住所を登記していたが、24年に港区北青山の高級マンションに移した。