自動車の世界ラリー選手権(WRC)第13戦「ラリー・ジャパン」が9日まで愛知、岐阜両県で開かれている。参戦する地元のトヨタ自動車は若手の技術者や選手の育成に力を注ぎ、開催地域の活性化も図る。
WRCはラリーの最高峰で、公道を使い、未舗装の道や雪上など多様な路面や地形を走る。トヨタは参戦を通じ、車両の耐久性や性能などの技術面に加え、携わる人材の知見が向上すると見込む。市販車開発に活用したい考えだ。
車の修理や整備を担うトヨタの社員向けに、ラリーの本場フィンランドで学び、国内の自動車製造に経験を生かす取り組みも進めている。モータースポーツ部門トップの高橋智也氏は取材に「予期せぬことを臨機応変に判断し、その場で自ら考える技術のプロに注目してほしい」と話した。
トヨタが育成する若手選手も、フィンランドを拠点に欧州各国の選手権に出場している。松下拓未選手(25)は「僕のようにラリーを全くやったことがなかった人でも機会を与えてもらえるのは、大きな意義がある」と強調した。