【ワシントン共同】米連邦準備制度理事会(FRB)が7日公表した金融安定報告書で、市場関係者が米政府の政策の不確実性に対して強い警戒感を示していることが明らかになった。4月公表の前回の報告書と比べ、地政学的リスクへの懸念が一段と強まったほか、米長期金利の上昇に関する指摘も大幅に増えた。
報告書は半年に1度公表される。市場関係者への調査は9~10月に実施した。
政策の不確実性を脅威として挙げた人の割合は4月の50%から61%に上がった。回答者は、貿易政策や中央銀行の独立性の不透明感を具体例に挙げた。政府機関の一部閉鎖に伴う経済統計の発表停止も問題視した。
地政学的リスクは23%から48%に、米国債の需要低迷などに伴う長期金利の上昇は9%から43%にそれぞれ上がった。
FRBは、金利の上昇で消費者の借り入れコストが上昇し、インフレとともに家計を圧迫する恐れがあると指摘。支出の減少は経済成長の鈍化につながる可能性があるとも分析した。