【ジュネーブ共同】水俣病の原因である水銀を規制する「水銀に関する水俣条約」の第6回締約国会議は7日、銀歯として虫歯治療に使う「歯科用アマルガム」の製造や輸出入を2034年末までに禁止することで合意し閉幕した。既に段階的削減の対象だったが規制を強化した。水銀の排出を減らす一層の努力を国際社会に求めた。
EUはアマルガムの使用を法律で禁止。カナダや米国、オーストラリアなどでは安価な治療法として使われている。日本では16年に保険適用から除外され、現在は製造されていない。日本の環境省はアマルガムを既に使った人でも虫歯の再発などがなければ除去する必要はないとしている。
会議はジュネーブで3日に開幕。日本は水銀に汚染された廃棄物の規制や管理を監視する方法について決議案を提出するなど議論を主導した。期間中の関連イベントには熊本県立水俣高の生徒らも参加した。
条約事務局によると年間約1500トンの水銀や水銀の化合物が工業生産の過程で使用される。小規模な金鉱業では年間2千トン以上の水銀が排出されている。