【北京共同】中国海南省三亜で5日、中国の3隻目となる新型空母「福建」が就役した。習近平国家主席が出席して式典が開催された。新華社が7日報じた。中国軍は空母を常時運用できる3隻体制を確立。台湾統一を見据え米国をけん制する狙い。東・南シナ海や太平洋で活動を活発化させ、日本の安全保障環境に影響を与えるのは必至だ。
中国は4隻目の空母建造を計画しているとされ、原子力空母への待望論も出ている。習指導部は「先進的な戦闘力」の建設加速を掲げており、宇宙やサイバー空間も含めて軍事力を強化し、米国に対抗する構えだ。
中国軍は福建の就役により、空母「遼寧」と「山東」を合わせた3隻で作戦、訓練、補修のローテーションを組み、常に1隻が任務に当たることが可能になった。
木原稔官房長官は7日の記者会見で、日本周辺海空域での警戒監視活動に万全を期すと強調。「中国軍は海上戦力の強化により遠方の海空域での作戦遂行能力向上を企図しているとみられる」と分析した。
福建は艦載機を短時間で発進させる電磁式カタパルト(射出機)を中国空母で初めて採用した。