「ほとんどが泣き寝入り」

侮辱罪の適用状況を検証する検討会終了後、取材に応じるプロレスラー木村花さんの母響子さん=4日、東京都千代田区

 2022年施行の改正刑法で厳罰化された侮辱罪の適用状況を検証する有識者検討会が4日、法務省で開かれた。交流サイト(SNS)で中傷され20年に命を絶ったプロレスラー木村花さん=当時(22)=の母響子さん(48)が意見聴取に出席。終了後の取材に応じ「ほとんどの人が泣き寝入りせざるを得ない。国が解決しないといけない問題だ」と訴えた。

 花さんの被害を機にインターネット上の誹謗中傷は深刻な社会問題として扱われ、厳罰化につながった。響子さんは一定の抑止力が働いていると評価する一方、被害者側へのサポートの重要性を指摘。加害者は簡単に書き込めるのに対し、被害者は証拠集めや相談窓口探しで心身や金銭の負担を強いられるとして「圧倒的に不利な状況がある」と主張した。

 検討会では、刑罰の在り方に関する意見も述べた。現行法の処罰対象が、SNSの投稿のように多人数が認識できる「公然性」を前提とする点に触れ「ダイレクトメッセージとかでひどい言葉も飛んでくる。幅を広げてほしい」と求めた。

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