和歌山県新宮市出身の作家佐藤春夫(1892~1964年)をしのぶ筆供養が3日、市内の石碑「筆塚」の前で営まれた。文化の日に合わせて市が開催。市民約70人が参列し、佐藤が作詞した市歌を歌った後、使い古した筆を供えた。
石碑は66年に建立され、佐藤愛用の万年筆と毛筆が納められている。「筆塚」の文字は佐藤の親友で詩人の堀口大学が揮毫した。
県立新宮高校1年で書道部の大槻智久さんは「小学校から歌ってきた市歌はこの人が作ったのかとしみじみ思った。上手にのびのび書けるようにと祈った」と話した。