米大統領「核実験指示」が波紋

米ネバダ核実験場での地下核実験が残した巨大な穴=22年(米エネルギー省提供・共同)

 【ワシントン共同】トランプ米大統領が国防総省に「核兵器の実験を指示した」との発言が米国内で波紋を広げている。「他の国は(実験を)している」ことを理由に挙げたが、競争相手の中国やロシアは近年、核爆発を伴う実験を実施していない。ミサイルなど核弾頭の運搬手段の近代化と混同した可能性があるとの指摘も出ている。

 トランプ氏は30日、核実験に向けた作業が「直ちに始まる」と表明。核爆発実験は1992年以来となり、国際核秩序が揺らぐ恐れがある。

 だが21世紀に入って爆発を伴う核実験を実施したのは北朝鮮のみ。爆発を伴う核実験はトランプ氏の意図とは異なるのではないかとの見方が浮上している。

 米戦略軍のコレル副司令官は30日、上院軍事委員会の公聴会で、「核実験を意味していたと決めてかからない」と指摘。ロシアが新型原子力魚雷の稼働実験に成功したばかりで、同種の運搬手段を指した可能性も否定しなかった。

 米メディアによると、核実験を行うのはエネルギー省核安全保障局(NNSA)。管轄が異なることも臆測が広がる背景となっている。

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