7月の参院選は「違憲状態」

名古屋高裁金沢支部

 「1票の格差」が最大3・13倍だった7月の参院選は憲法が求める投票価値の平等に反するとして、石川、富山、福井の有権者が各選挙区の選挙無効を求めた訴訟の判決で、名古屋高裁金沢支部(大野和明裁判長)は29日、「違憲状態」と判断した。無効請求は棄却した。

 二つの弁護士グループが全国14の高裁・高裁支部に起こした計16件の訴訟で2件目の判決。24日の大阪高裁判決は「合憲」としており判断が分かれた。各地の高裁判断が出そろった後、最高裁が統一判断を示す見通し。

 7月の参院選で、議員1人当たりの有権者数が最少だった福井選挙区と最多だった神奈川との格差は3・13倍。前回2022年選挙の3・03倍からやや拡大した。福井と比べて石川は1・49倍、富山は1・38倍だった。

 今回の訴訟で、原告側は22年選挙から格差が広がったことを踏まえ「是正とは真逆の著しい後退だ」と主張。3県の選挙管理委員会側は請求棄却を求めていた。選挙の効力に関する訴訟は高裁が一審となる。

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