高市早苗首相は24日の所信表明演説で、地元・奈良ゆかりの聖徳太子の「十七条の憲法」から「事独り断む可からず。必ず衆と与に宜しく論ふ可し」を引用し、少数与党下での議論の必要性を説いた。明治維新を思想的に準備したとされる幕末の長州藩士吉田松陰の言葉も引き合いに、連立を組む日本維新の会や、山口出身の故安倍晋三元首相への思いがにじんだ。
日本では古くから多人数で議論する「衆議」が重視されてきたと強調。「政治とは独断ではなく、共に語り、共に悩み、共に決める営みだ」とし、国家国民のため各党と真摯に向き合う姿勢を示した。
吉田松陰からは天下国家を論じるには、まず自分の身近な場所から考え始めるとの内容の言葉を引用し、地方活性化の重要性を指摘した。
全体の約3割を物価高対策と経済成長に割いた。政権幹部は「補正予算に関することが中心にならざるを得ない」と説明した。
演説は約7560字だった。官邸によると、平成以降の最多は2009年の鳩山由紀夫首相の約1万2900字で、最少は05年の小泉純一郎首相で約3200字だった。