JR東日本が、指名手配中の容疑者を検知して警察に通報する目的で首都圏の一部駅に設置していた顔認証機能付き防犯カメラについて、今年7月に運用を停止したことが24日、同社への取材で分かった。2021年7月に東京五輪・パラリンピックの防犯対策で運用を始めたが、日弁連がプライバシー侵害の恐れがあるとして利用中止を求めていた。
JR東は「政府の個人情報保護委員会や国土交通省から助言を得て進めてきた」とした上で、顔認証機能の停止理由を「外部企業との契約期間満了に合わせ、効果を検証した結果」と説明。設置していた駅や台数、実際に通報した事案の有無は明らかにしていない。
JR東によると、公的機関の公表情報を基に指名手配者の顔写真などの情報を顔認証機能へ登録。該当者を検知すると警備員が目視で確認し、必要に応じて警察に通報する仕組みとしていた。
これとは別に、駅内をうろつくなど同社が不審と判断した人物も検知対象にする想定だったが、実際に登録したケースはなかった。