24日午前11時10分ごろ、秋田県東成瀬村役場から「クマに襲われ、複数人が負傷している」と横手署に通報があった。駆け付けた警察官が役場付近で、男女計4人が顔などから血を流し倒れているのを発見した。近くの無職佐々木喜行さん(38)が死亡。大工の父親(65)と、同県横手市の無職男性(76)とその妻(72)の3人が頭部外傷などの重傷を負った。村は現場周辺で1頭を駆除したと明らかにした。
佐々木さんの顔や頭には引っかかれたとみられる深い傷があり、死因は顔面損傷による低酸素脳症だった。環境省によると、本年度のクマによる犠牲者は24日時点で今回の事案を除き全国で9人。住宅地など人の生活圏での被害も続出している。自治体判断で銃猟を可能とする「緊急銃猟」が各地で実施されているほか、同省は生ごみなど誘引物の管理を呼びかけている。
横手署と東成瀬村によると、屋外にいた夫婦が襲われ、助けに行った佐々木さん父子が巻き込まれた可能性がある。佐々木さんの母親が自宅で叫び声を聞き、役場に通報した。