長野4人殺害、34歳男に死刑

長野地裁

 長野県中野市で2023年、住民と警察官の計4人を殺害したとして、殺人と銃刀法違反の罪に問われた農業青木政憲被告(34)の裁判員裁判で、長野地裁は14日、求刑通り死刑判決を言い渡した。主な争点となった刑事責任能力について、坂田正史裁判長は、被告に完全責任能力があったと認定し「強固な殺意に基づく残虐極まりない犯行だ」と述べた。死刑回避を求めていた弁護側は控訴する意向を示した。

 坂田裁判長は判決理由で、起訴前の精神鑑定の結果を踏まえ、住民2人に「(独り)ぼっち」などと悪口を言われているとの妄想があり、殺害動機を形成する要因となったものの、犯行に影響は及んでいないと指摘。犯行後、母親に絞首刑への抵抗感を訴えたことなどを挙げ「善悪を判断して行動をコントロールする能力を問題なく保っていた」と結論付けた。

 弁護側は起訴後の精神鑑定の結果から統合失調症が悪化し、妄想の強い影響下の犯行だったと主張していたが、判決は「独自の見解に依拠し、一般性や客観性が劣る面もある」として退けた。

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