体内の過剰な免疫反応を抑えるリンパ球の一種「制御性T細胞」を発見し、今年のノーベル生理学・医学賞に選ばれた大阪大特任教授の坂口志文さん(74)が、発表から一夜明けた7日朝、学長への受賞決定報告のため大阪府吹田市の同大キャンパスを訪れた。報道陣に対し「これだけ取材していただくと、実感が湧いてきます」と改めて喜びをかみしめた。
午前8時ごろ、スーツ姿の坂口さんが、研究を長年支えた妻教子さんと共に大学の本部棟に到着。職員や学生ら約80人が大学の旗を手に出迎え、ワニをモチーフにした大学公式キャラの着ぐるみの姿も。祝福の拍手の中、熊ノ郷淳学長からの花束を受け取った。
坂口さんは、受賞が決まってからの一夜について「いろんな方からメッセージをいただいて、見ていたらすぐ時間がたってしまいちょっと寝不足」とはにかみながら振り返った。
坂口さんは、体を病気から守る免疫システムのひとつであるT細胞を研究。T細胞の中に過剰な攻撃が体に害を与えないよう、抑制する役割を担うものがあることを見つけた。